最高裁判所第二小法廷 昭和26年(あ)4493号 決定 1952年10月25日
本籍
札幌市南大通り西一四丁目一番地
住居
同市南八条西一七丁目一四番地
無職
武藤明美
大正一五年四月一〇日生
右の者に対する窃盗被告事件について昭和二六年七月二五日札幌高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
弁護人松本幸正の上告趣意について
「所論は憲法三一条違反を云為するがその実質は、単なる法令違反の主張に過ぎないもので適法な上告理由とならない。しかも刑訴規則一七九条三項は刑訴法二七五条の授権の範囲内と解すべく、この点の論旨はとるを得ない。」
なお記録を精査しても同四一一条に該当する事由はない。
よつて、同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により全裁判官一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)